地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
久々の生き物嫌い……。

足の傍にいたのは、カニ。

小さいんだけど……あたしには、恐怖。

ギューっと会長に抱き着いて、カニが視界に入らないようにした。


「カニくらいで、怖がるな」

「………」


会長の花火も終わったのか…慰めるように背中をポンポンと撫でてくれる。

辺り一面が真っ暗闇になった。

聞こえるのは、静かな波の音だけ……。


「……なぁ」

「ん…なぁに?」

会長の腕が、後頭部と腰にまわってくる。

首筋に埋めていた顔を上げて、会長を見つめた。


「……アイツのこと、好きか?」

「………っ……」


アイツって……陸のことだよね。

好きかって聞かれたら……。



「……わかんない……」


会長を見つめていた目を伏せる。

陸が好きなのか……わかんない。
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