地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
目を見開いて…会長を見つめる。

言葉が出て来ない。


でも……単純に会長から言われて『嬉しい』と思った。


「……な、俺のこと嫌いか?」

ブルブルと首を横に振る。

嫌いなんかじゃない……嫌いな人に、こんなに甘えたりしないよ。


「……好きだよ……会長のこと」

ゆっくりと返した。


「それは…アイツに対する気持ちと同じモノか?」

友達の好きか、恋人の好きか。


「いや、答えなくていい。違うなら……拒め」

「え……」

「拒んだって、傍にはいてやるよ」

「…か……」

“会長”と言おうとした。
でも…近づいてきた会長に、言葉が続けられなかった。


拒めるわけないよ。

こんなに甘えても、許してくれる人なんていないでしょ?

たぶん……アイツよりも会長の方が好き。



「…会長…好きだよ…」


残り数センチのところで、伝える。

フッと笑った会長が、優しくあたしの口を塞いだ。
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