地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
お腹の空いた杏樹が、呑気に晩ご飯のことを考えていた頃。


東雲学園正門。


1人のスーツを着た男が、学園内に入ってくる。


一見、どこにでもいそうなサラリーマン風。


警備員の誰もが気付かない。


誰の目にも留まらず、やすやすと校舎の方へ歩いていった。




右手に握られているのは、全長30センチ以上はある刃物。


赤絨毯を思わせるレンガを敷き詰めた道を、コツコツと靴の音を鳴らしながら…口角を上げる。




寮へ帰ろうとしていた女子生徒が、立ち止まり……後ろを振り返った。


「なぜ、あのような方が…学園内にいるのかしら?」

「どうかしたの?園子さん」


周りにいた友人達も、彼女の言葉を聞き振り返る。












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