地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ

「さぁ?事務の方にご用があるのでは?」


彼女たちの1人が、そう言った。


男は、まっすぐ一点を見つめたまま……こちらへ歩いてくる。


その時、何か……歌が聞こえた。


「かごめ かごめ
籠の中の鳥が
いついつ出会う
夜明けの晩に
鶴と亀が滑った
後ろの正面 だあれ?」


明らかに、こちらへ向かってくる男が歌っている。



なにか・・・おかしい。

その場にいた全員が思った。


男の表情は、気味悪く歪んでいる。

まるで、人間ではない。

妖怪や、ゾンビと言った方が、しっくりとする。


「あっ………」

1人の女子が、男と目があった。


「……だせ。……どこだ……!」

「きゃああああああ!」


キラリと光った刃物を、彼女たちに向けて……襲いかかってくる。


全員が、悲鳴を上げた。
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