地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
──杏樹side──

「・・・ん?」

零ちゃんの鞄を持ちながら、首をひねった。

何か……聞こえなかったかな?

気のせい?


教室に残ってるのは、もう数えるくらいの人数。

クラスのほとんどが出ていった。


「気のせいだよね」


自分に言い聞かせて、教室を出ようとした瞬間。


「……まだ、来てくれないの?」

脳内に、女の子の声が響く。


その声の主は“繭ちゃん”


「あんじゅちゃんの……うそつき。一緒に来てくれるって言ったじゃん」


言葉が響いて、頭が痛くなってきた。

あまりの痛さに、その場にしゃがみ込む。



「吉川?」


ガンガンする痛みの中、声をかけられて…顔を上げた。
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