地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ

「お前が行くことないだろ。ケガしたらどうする」


あぁ……女の子扱いしてくれてるんだ。

この仕事してて、見鬼のない人に話したのは会長達が初めてだもん。


ギュッとさらに強く手を握られた。

会長は…あたしが仕事してるところ見たことないもんね?


心配してくれるのはありがたいけど。

やらなきゃいけない時もある。


あの男は、たぶん警察じゃ対応出来ない。

周りのオーラが、妖気っぽいもの。


「会長、大丈夫ですよ。すぐに終わらせますから」

「だがっ……」


あたしが行くことを納得してくれない。


その時。


「朝比奈さん!」

「零様!」


下から、先生や生徒達の叫び声が聞こえてきた。


「零ちゃん?」

窓から見下ろすと、血の気が引く。







寮から戻ってきたらしい零ちゃんに、男が刃物を向けていた。
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