地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
――陸Side――


「お帰りなさいませ、陸様」

「ただいま」


午後5時。

学校から家に帰宅した。


2学期が始まって、数日。

自分の部屋に入り、携帯を開くが──…杏からの電話やメールが一切入らない。

夏休み中……ほとんど連絡なかったし。


「…杏のヤツ、放置プレイか?」


制服のネクタイを緩め…仕事用のスーツに着替える。

今から……また仕事だ。


あの化粧臭いオバサン……二宮商事の社長・二宮薫との商談。


「……ハァ…。行きたくねぇ…」


杏に会いたい。

ちょっとで良いから…抱きしめたい。


25歳で、ケバい化粧に胸元の開いたスーツ。

こんな女が、社長やってて良いのかって思うほど派手。

何気に…俺に対して、女を出してくるし。


マジで面倒。
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