地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
ベッドから起き上がり、窓の外を見ていた。

もう夜に近いため……夜景が見える。



「……杏」



名前を呼ぶと、ゆっくりと俺がいる方を見た。

見えていないため……視線は定まらない。

でも……前より、目に光がないと思う。

人形……みたいだ。


なんで?


「……杏?大丈夫か?」


ベッドへ近づいてみる。


「……う……ん……」

僅かに頷いた。


「どうした?」

ベッドの隣にあった椅子に腰を下ろす。


「あのね……ずっと言いたいことがあったの……」

「なに?」


聞き返すと、布団を握りしめた。

その行動に、自然と心臓が速くなる。

……イヤな予感がした。





「……陸……別れて……」
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