地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
叫んだ瞬間───……。

ブワッと、小さな妖気が病室に充満した。


「は?」

「繭ちゃん……どこ……」


キョロキョロと目を動かし、誰かを探してる。



「……ここだよ、あんじゅちゃん」

「……!?」


俺のすぐ隣に、小さな女の子が現れた。

長い黒髪。

白い肌。

整った顔立ち。

容貌だけなら、杏に似てる。

でもコイツ……人間じゃない。

妖怪だ。


纏う妖気が、学園にいるような雑鬼レベルじゃない。


「……おにいちゃん、はじめまして。あんじゅちゃんの友達の繭だよ」

「杏に何の用だ」


警戒しながら、問い掛けた。

クスッと笑う繭。


「……何がおかしい」

「あと……3週間だね」

「何がだ」

「あんじゅちゃんの余命」

体が凍り付いた。
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