地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
†闇に染まった心
――杏樹Side――
陸が病室を出て行った直後、会長が入って来る。
「ちゃんと言えたか」
何をかというと……陸への別れ話。
あたしからは、きっぱりと話したのに……あの人は承諾してくれなかった。
なんで?
別れ話は嬉しいことじゃないの?
本命の二宮さんのところに行けるんだよ?
疑問ばかりが、頭の中を占める。
どうして……「別れたくない」って言ったんだろう。
布団を握ってた手に重ねられた陸の手は、前と変わらない温かさがあったけど……震えてた。
「……別れたのか?」
「ううん……」
ブンブンと顔を横に振る。
会長が隣にいても、俯いたまま白い布団を見つめていた。
陸が病室を出て行った直後、会長が入って来る。
「ちゃんと言えたか」
何をかというと……陸への別れ話。
あたしからは、きっぱりと話したのに……あの人は承諾してくれなかった。
なんで?
別れ話は嬉しいことじゃないの?
本命の二宮さんのところに行けるんだよ?
疑問ばかりが、頭の中を占める。
どうして……「別れたくない」って言ったんだろう。
布団を握ってた手に重ねられた陸の手は、前と変わらない温かさがあったけど……震えてた。
「……別れたのか?」
「ううん……」
ブンブンと顔を横に振る。
会長が隣にいても、俯いたまま白い布団を見つめていた。