地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
え……なんで……?


あれだけ会いたかったのに、いざ現れられると、動揺が全身を襲う。


まさか……「やっぱり別れよう」って言いにきたのかな。


「……どうしたの?」


ベッドから立ち上がり、部屋の入口である扉に近づいた。


「入っても良いか?」

「…………」


“良いよ”とは言えない。

自分の想像した通りに話されたら、今度こそ立ち直れないと思ったから。


「まぁいっか、ここで」

「え……」



なのに、陸は特に気にすることもなくて……扉の前に座り込んだ様子。


「杏、座れよ。ちょっと長くなるぞ?」

「あ……うん……」


扉に背中をつけて床に座った。



何を話されるんだろう。

長くなるって……そんなに話すことあるのかな?
< 559 / 657 >

この作品をシェア

pagetop