地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
その度に、心の中にあった真っ暗い闇が消えていく。

闇から抜け出すのは、こんなに簡単だったんだ。


たった……気になることを聞きたい人に尋ねて、答えてもらっただけ。

言葉にするだけだった。

伝えるだけだった。


もっと早くに、これが出来ていたら……悩まずに済んだのに。



「……全部吐き出したか?」

「ううん……あと2つある」


小さく頭を振って、もう一度陸を見つめる。


「ごめんなさい、あたし浮気されたと思い込んでた。聞けばよかったのに、確かめることを忘れてた」

「ん。浮気なんか、一生しない」


ニッと笑う表情を見て、もっと陸を信じなきゃって思う。


「俺な、杏にベタ惚れだから」

「……バカっ」


大好きなこの人をもっと大切にしようと思った。
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