地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
ジロジロと見られて、顔から火が出そう。


「り、陸っ!」

「なに?」

キッと睨み付けたら、床に押し倒された。

何するんじゃあああ!?

羞恥と怒りが混ざって、頭がパンクしそう。


「お母さん来るってば……」

コイツを止めなきゃ、今見られたら……大問題になっちゃう!

なのに。

この変態バカ殿様は。


「よかった…………」

ホッとしたように息を吐いて、あたしの首筋に顔をうずめた。

全体重をかけて、背中に手をまわして抱きしめられる。


ど、どうした?

予想外のことに、パチパチと瞬きを繰り返した。


「陸?」

名前を呼んでみても、抱きしめる腕の力を強めるだけ。


「…………ちゃんと治ってよかった」

「え?」

耳の近くで囁くように言う。


「傷が残ったんじゃねぇかって……心配で」

力が抜けたように弱々しい声。

いつもの俺様で自信満々な陸じゃない。

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