地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
ずっと、あたしの体を見ていたのは、自分の目で確かめるためだったみたい。

学園で数カ所を刺されたから、その痕が残ったんじゃないかって。

酷く心配していたらしい。


だけど、ケガの方はじいちゃんが頑張ってくれたから痕もなく、治ってる。


「ねぇ?」

「ん」

「あたしの体に傷が 残ってたらどうしてた?」


問い掛けに、ふと、陸が首筋から顔を上げた。

頬を優しく撫でられる。


「俺は構わねぇんだよ。んなことで、別れたりしない。でも……」

「でも?」

「お前がイヤだろ? こんなに若いうちから傷を負うなんて、辛いだろ。泣く姿を見たくなかっただけだよ」


ポロッと涙が出てきた。

こんなにもあたしのことを考えてくれて、欲しい言葉を言ってくれる。


「何泣いてんだよ」

「泣いてないよ、汗だもん」

「目から出る汗があるんだな?」

ペロッとこめかみに流れた涙を舐め取られた。

くすぐったい。

けど、嬉しくて……ニコッと微笑みかける。





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