地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
陸が調べてくれた資料には、かごめ唄の様々な都市伝説が書かれていた。


・妊婦が姑に流産させられる説。

・盲目の少女が、神社の境内に閉じこめられて、殺害される説。

・遊郭に暮らす女性が、恋人を待つ説。

・五穀豊穣のため、神様に生け贄の少女を選ぶ方法としての説。

・腹を空かせた化け物が暴れないよう鎮めるために、差し出す少女の説。



あたしが毎晩見ていた夢から考えて、あの子……“繭ちゃん”は、暴れる化け物を鎮めるために差し出された少女。


かごめ唄で、後ろの子を当てるのは、百発百中だった。

たまたま当たってたのかもしれないし、特殊な能力があったのかもしれない。


彼女の力を恐れた周りは、毛嫌いした。

何にも悪いことはしていないのに。

友達も居なくなり、独りぼっちだったんだよね。


まるで、昔のあたしみたい。

普通の人と違うから、変人、化け物扱いをされて、闇の中にいた。


「あたしが繭ちゃんに闇へ引きずり込まれたのは、単に、弱気になっていたからじゃないんだよね」

「ん?」

「共感っていうのかな? 繭ちゃんを昔の自分に重ねて……同情してたんだと思う」


陸に抱きついたまま、夢で見たことを話した。





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