地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
夢に出てきた情報と、都市伝説の資料を元に考えたことを話す。


「初めて繭ちゃんに会った時、泣いてるように見えたんだ」

「それは、夜中に襲われた時か?」

「うん」

だから、術を使うことを本能的にためらった。

あの子の周りには哀しいというような波動があった。


“お姉ちゃん、私と遊んで?”


それが、彼女のたったひとつの小さな望みなんだと思う。

ただ、遊んでほしかった。

自分を恐れることなく、接してくれる友達がほしかった。

“化け物”

イヤな呼び名ではなくて、名前で。

繭ちゃんが、あたしの余命を削るまで執着したのは……。

唯一、被害者の中で彼女の名前を呼んだからだと思うの。

そして、幼少期が似ていたから。



これは、あたしの予想だけど。

被害者達が、1番大切な人の記憶と見ることを失ったのは……そうすることで、黄泉の世界に来てくれるんじゃないかって考えたんじゃない?


あたしも二宮さんのことが重なって、陸を失ったと思ったら、もうどうでも良いと思ったもん。



命さえ手放そうとした。

絶対にしてはいけないことなのに。

大切なことを見失うところだった。




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