地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
被害者達を救うには、繭ちゃんを闇から救わなきゃいけないと思う。

調伏したって、あの彼女たちは元には戻らないと思うんだ。


あの子は、本当はいい子なんだよ。

事件を起こしたのは、寂しくて、誰かに闇から抜け出させてほしかったから。


「繭ちゃんを……助けなきゃ」

「ん……」

「そうだな」というようにあたしを抱きしめる陸の腕に力が入る。


今回は調伏じゃない。

光の世界へ連れてくるんだ。


笑えるように。

泣き続けなくて済むように。



「明日、東雲に行くね?」


繭ちゃんが言っていた、余命の刻限はあと4日。

陸が見えるようになったから呪いは解けた。

たぶん、悲しさと怒りで……あたしの前に現れると思う。


その時がチャンス。


もしかしたら、怒りの矛先を東雲の生徒達に向けるかもしれない。

彼らを護ることが、あたしの仕事だからね。


絶対にケガをさせたりはしない。

意地悪されても、朝比奈理事長の大切な生徒達だし。

依頼人の大切な人は、護らなきゃいけないよね?



「ね?」

「あ?」

「またちょっとくらいケガしてくるかもしれないけど、ちゃんと待っててね?」


抱きつく腕の力を緩めて、陸の顔を見つめた。




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