地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ



「かごめ〜かごめ〜」



あの童謡が聞こえてきた。


「えっ……」

クラスの人達も聞こえたらしくって、授業が中断する。


「籠の中の鳥が〜〜」


はっきりと聞こえる。

もう来たのか……。


「誰が歌っているんですの!?授業中ですわよ!おやめなさいな!!」


女子のひとりが、大きな声を出す。

お嬢様でも、こんな大声出せるんだ……いっつもネチネチ厭味しか言わないのに。


「いついつ出会う〜〜」

クラスの人間が歌ってるわけじゃないから、童謡は止まらない。


「誰が歌っているんですの!?」


他の生徒達もザワザワと騒ぎ出した。


「夜明けの晩に〜〜」


騒ぎ出したうるささと比例するように、歌声も大きくなる。


「鶴と亀が滑った〜〜」


「後ろの正面だあれ〜〜?」
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