地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
かごめ唄が終わった。

何回かこの場面には遭遇してるから、これから現れることがたやすく予想できる。


「どっからでも、かかってきなさい」


もう大丈夫。

怖くなんかない。

昨日、ちゃんと準備はしてきたし。

陸もちゃんといてくれる。


手をポキポキと動かして、首を回した。

机の下で、黒い手っ甲をはめる。

これは、昔から大きな仕事の時には着けてきたモノ。


鞄から、護身用に作った呪符を取り出した。

生徒達が襲われそうになったら使おう。

スカートの内ポケットにしまい込んだ。

呼吸を整える。




その瞬間ーーーーー……


「お迎えに来たよ、あんじゅちゃん」


教室中に繭ちゃんの声が響いた。

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