地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
先生が携帯で、どこかに電話を掛けているようだ。

「も、もしもし! 3年Ⅰ組です! 助けて下さい!」

どうやら、職員室のようだ。


「あんじゅちゃんのうそつき」

また聞こえてきた。

「こっちに来てくれるって言ったじゃん」

あぁ……泣いてる。

寂しいって心が泣いてるんだ。


「やっと遊んでくれると思ったのに」

ごめんね。

ムリだよ。




「無理やりにでも、連れて行くよ?」


スッと教室内に妖気が充満した。

冷房がついていないのに、肌寒く感じる。

制服の上から腕をさすった。





「やっと…………会えたね?」


教壇の上。

座って、足をブラブラと揺らし、あたしを見てる。


今回のすべての原因。


繭ちゃんが目の前に現れた。

< 597 / 657 >

この作品をシェア

pagetop