地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
クラスにいた全員の視線が、繭ちゃんに向けられる。

皆さんにも見えているらしい。

どんだけ、妖気デカイんですか。


「ど、どこから出てきたんですの?」

カタカタと震える手で、繭ちゃんを指さすお嬢様。

さっきまではいなかった存在。

開いてもいない扉。

どうやって少女が入ってきたのか? 気になるらしい。


「おいっ……あんじゅなんて名前の奴いないよな? 誰のことだよ!」

ズカズカと1人の男子生徒が、教壇の前まで行く。

「関係ないヤツは出ていけ」

「汚い子。汚らわしいわ」

その彼に感化されたのか、周りも続けて言い放った。


そして、禁句だった言葉を言ってしまう。


「気持ち悪いぞ。化け物!」

繭ちゃんの瞳の奥が、大きく揺れた。



「うるさい、あんじゅちゃん以外……全員死んで!」


ぶわっと妖気が鋭い針のようになり、教室の窓ガラスに突き刺さる。

一瞬でヒビが入り、粉々に割れた。


生徒に向かって飛んでいく。


「キャアアアアア!」

悲鳴が教室を揺らした。



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