地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
「禁───────!」
素早く印を片手で作って、叫んだ。
見えない壁が、生徒達の周りに出来て、破片をはじき返す。
続けて、叫んだ。
「我が身に降る妖気をまとった刃よ、塵となり果てろ!」
破片すべてが、砂のようなサラサラしたモノに変わる。
害のあるモノがなくなり、ホッと息をついた。
そして気付く。
全員の視線が、自分に向けられていることに。
もういいか。
行儀は悪いけど、ピョンッと机の上に乗り、繭ちゃんがいるところまで机を渡っていく。
「よ、吉川さんっ!?」
先生の素っ頓狂な声がした。
すいません、悪い子で。
あたしが近づくと、笑顔になりつつも、悔しそうな表情になる繭ちゃん。
「どうして……こんな人達護るの?」
「……仕事だから」
「みんな化け物って言った!」
今にも泣きそうな顔になった。
そうだよね、あたしだって化け物呼ばわりされたら、泣きたくなる。