地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
泣いていた彼女が顔を上げる。

「どうした?」

「本気?」

「もちろん。あたしの学校に来なよ、雑鬼はたくさんいるから」


白い肌を流れる涙を優しく指先で拭ってあげた。


「あっちの世界には行けないけど、友達にはなってあげる。それじゃダメかな?」


生きていた頃に、受けなかった愛情は、あたしがこれから注いであげる。

というか、陸や柚莉とか妖怪が見える人は結構いるから、全員友達にさせるし。


「あんじゅちゃんの傍にいてもいいの?」

「いいって言ってるでしょう? あたしのところに来るのはイヤ?」

問いかけると、ブルブルと顔を横に振った。


よかった、それなら。


「あたしのところに来る条件は、もう人間に危害を加えないこと。出来るよね?」

「うん」


繭ちゃんが頷いた瞬間、教室中に充満していた妖気が消える。



「被害にあったみんなも、元に戻してくれるよね?」

「うん」

しっかり頷いたのを見て、体から力を抜いた。

それなりに緊張していたことがわかる。



「……まずは、仕事終了」

抱き上げたまま、彼女に向かって、微笑みかけた。










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