地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
そして着いた場所は……。

「ぷ、プリンスホテル!?」

「行くぞ」

「ヒッ!」


うちのお父さん達が経営してる中でも、高級なホテル。

そして……以前、二宮薫さんに、呼び出されたところだ。


正直……イヤな思い出しかない。


「陸……なんでこんなところに……」


エレベーターに乗って、上の階へ向かう中、尋ねてみた。


「……秘密。黙ってついて来い」


言葉は命令口調だけど、優しく頭を撫でてくれたから……コクンと頷く。

エレベーターを降りて、陸が持っていたルームキーで部屋に入った。




そこで待っていたのは……。


「杏樹様、お支度をしましょう」


泰造さんのパーティーの時に、あたしの支度をしてくれたおばさま達だった。
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