地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
────2時間後。


「終わりましたよ」

おばさま達から、声をかけられて、目を開ける。

鏡に映る自分の姿を見て、ますます不思議になった。

黒の上品な膝丈のふわふわしたドレスに着替え……。

ヒールの高い靴を履いて。

髪はコテでキレイに巻かれてある。

自分でするより、断然キレイにメイクも施され……。

といっても、元が悪いから……キレイにはなれてないけど。



「……あたしは、何をするの?」


まるで……今からどこかのパーティーに行くみたいな格好。


「出来たか?」


突然の声に、後ろを振り向く。


うわぁ………カッコイイ。

仕事しているから、それなりに見慣れたはずなのに……やっぱりスーツ姿の陸は、フェロモン倍増だった。


「行くぞ」

「えっ……」

手を引かれて、部屋を出る。
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