地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
入ってすぐに、重役達から囲まれてしまう陸。


「ちょっと待ってろ」

そう言って、どこかへと行ってしまった。


どうすることも出来ず……繭ちゃんの手を握って、その場に立つことしか出来ない。


帰りたい……。

二宮さんに会いたくない。



だけど。


イヤなことは起きるもので。



会場内をグルリと見渡していた時だった。


一際目立つ……派手な女性。


離れた場所に立っていたのに、思いっきり目が合ってしまう。


あたしに気づいた瞬間……周りに振り撒いていた笑みが消え去った。

代わりに、憎しみを込めるような表情で……睨みつけられる。

あまりの怖さに、背筋が凍りついた。



そして、そのまま……あたしがいる方へ歩いて来る。
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