地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
ギュッと繭ちゃんの手を握る。

「あーちゃん……」

心配そうな目が、向けられているのがわかった。


「まだ陸と別れてないんでしょう? いい加減……私にちょうだいよ!?」


またムカついた。

陸はモノじゃない。

簡単に譲れる人じゃない。


「……別れるなんて……できません……」

「はァ!?」

一際大きな声が、会場中に響く。

周りにいたパーティーの参加者達も、何事かとあたし達を見た。


「……別れたくないんです」

やっとのことで、小さい声だけど返す。

すると。

バシン……っ……!

左頬に、鋭い痛みが走った。


「アンタが陸に釣り合うと思ってるの!? この私にバカな口をきくなんて……アンタの親の顔が見てみたいわっ!!」

「……っっ……」


痛い。

もうやだ。

誰か助けて。
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