地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
杏樹と陸が会場を出た後……周りにいたパーティー参加者が騒ぎ始める。


「今の話が本当なら、私の会社も商談を考え直そう。人間性が欠けている方とは、良い仕事は出来ない」

「えっ!?」

重役の一人が、二宮に向かって、言った。

突然の申し出に、慌てる二宮。


「私もだ」

「私達の会社も再検討するよ」


次々と、二宮商事との契約を考え直すという声が上がってきた。


「……そんなっ! みなさん今まで、喜んで下さってたのに……」


オロオロし始める。

かばってくれる企業は、ひとつもない。


「神崎様のお嬢様に、危害を与えたのでは……君を信用出来ないね」


初老の重役が、二宮に向かって告げた。



この日……。

二宮商事の大半の商談契約が、白紙に戻されたのだった。
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