地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
ピタリと2人とも……動きが止まる。


「あーちゃ〜〜〜ん……」

「繭ちゃん……泣いてる!!」


繭の声だけで、泣いてることがわかったらしい杏。




それからの行動がすごかった。



「陸どいて!」


ドンッと俺を退けて、ベッドから下りる。

乱れた服を着直して、髪を整えた。


その間も、繭の杏を呼ぶ声は止まない。



「繭ちゃんっ……」


パタパタと部屋の入口へ向かい、ドアを開ける。


「あーちゃん!」

杏が出て来た瞬間……パッと満面の笑顔になり、ギューっと抱き着いた。

そんな繭を抱き上げ、「ゴメンね、どうしたの?」と優しく問い掛けている。


「あーちゃんがいなくて……寂しかった……」


杏の首筋に顔をうずめて、甘えるように言った。
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