地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
目を疑った。

あたし……幻覚が見えるほどに視力落ちた?


「零ちゃんもいるっ!」

キャッキャ嬉しそうに笑う繭ちゃん。


「マジ?」

「ウソ?」


あたしと陸は、数メートル先にいる2人組から目が離せなかった。



「杏樹〜〜〜!!」

パタパタと小走りで駆け寄って来て、ギューっと抱き着かれる。


「れ、零ちゃん!?」

「今日から同じ大学だね、よろしく〜〜♪」


スリスリと頬を撫でられた。


「そういうことだ、よろしく」


会長も、フッとわずかに笑う。


会長と零ちゃんが、あたし達と同じ大学!?


「会長は何学部?」

「法」

陸の質問に答える会長。

「零ちゃんは?」

「経済」

あたし達と一緒なんだ。
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