地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
ゆっくりと回っていた水族館も、だいぶ制覇した。


気づけば、もう――5時。

お揃いで陸が、あたしの誕生日プレゼントでくれた腕時計で時間を確認する。




「夕方になっちゃったね…」

「………」


無言の陸様。

まだ怒ってるのかな……。


1時間くらい前…

アザラシに、頬キスをしてもらえる体験ブースがあり、あたしが体験した。


しかし。


アザラシ君がキスして来た場所は……頬ではなく口。


それで陸様が不機嫌になり…拗ねてしまったんです。



「……見た目は大人っぽいけど、陸って子供だよね……」

「あ゛?」


……………。

あーもー…しょうがないなぁ…。


キョロキョロと周りを見て、人がいないことを確認する。



「陸!」

名前を呼んで、こっちを向いた瞬間――…




腕を引っ張って唇を重ねた。
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