地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
――杏樹Side――


う゛――………。

陸のバカ。

チュウくらいしてくれたって良いじゃない。


なにさ?

『止まんなくなる』って??

意味わかんない!



プーっと膨れっ面のままブーサンを脱ぎ、家に上がる。



『杏樹!』

「へ?」

『バカモン。下じゃ!』

「うわっ」



目線を下に下げると、小さいじいちゃんがいた。

背丈は、2歳児くらい。



『まったく…。寄り道はして来なかったじゃろうな?』

「してません」



このじいちゃんは、本物のじいちゃんが作った式だ。


70歳近くの容姿のじいちゃんが、背丈だけは2歳児。

ちょっとカワイイ…!


『じゃあ、ワシの部屋に来なさい。お客様を待たせているんじゃ』

「お客様?」

『はよせぇ!!』

「はいっ」


返事をすると、ハラリ…とただの紙切れに変わった。
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