君のホームランで、連れてって!!
「わ~嬉しい!! ありがとう!! 悠!!!」
アニメのキャラクターのクマのぬいぐるみをGETした菜緒は、上機嫌だ。
「よかったね・・・菜緒」
汗をタオルで拭きとりながら、髪をかき上げた。
「悠・・・」
菜緒は悠のその仕草に、少しときめいてしまった。
「なんだよ。菜緒」
じっと見つめられているのが不思議に思った悠は、菜緒の方を見つめた。
「ゆっ・・・悠!! はずかしいょ...!!」
菜緒を顔を隠した。
「照れるな。菜~緒」
そう言って、悠は菜緒の手を引いた。
「次は、俺が決める。いいだろ?」
「うん!!」
そして、悠が連れて来たところは・・・。
「ここ?」
「そう!!」
ゲームセンターだった。
「なんでゲーセンなの!?」
「いいだろ♪」
悠はそう言いながら、奥に入っていった。
「悠!! 待ってよ~」
菜緒は悠を追いかけるようにして、走っていった。
ドンッ・・・
「あっ・・・・・」
ふ・・・不良!??
「あ・・・・あのっ」
菜緒は慌てて目をそらした。
悠はそれに気づかずにつかつかと行ってしまった。
「おい。お前さん・・・」
「・・・・っ・・・」
菜緒は怖くてその場から動けなかった。