君のホームランで、連れてって!!
「菜緒・・・・?」
悠は菜緒を見て、手を止めた。
「あ、ごめんね!」
菜緒は笑いながら泣いていた。
「菜緒、平気?」
皆は菜緒に寄り添った。
「皆・・・」
悠は皆の前に入った。
「菜緒? 平気か?」
悠は菜緒の肩に手を置いた。
「うん。平気・・・ごめんね」
菜緒は、自分で涙を拭った。
このとき、悠は自分の手で拭うことができたなら・・・と思った。
それを出来ない悠は、強く心に決めていた。
“俺が菜緒を守る”
悔しい顔をして菜緒を強く抱きしめた。
「・・・ゆ、悠?」
このとき、幸せすぎた菜緒。
まさか、この後に最悪な悲劇が襲ってくる。
なんて、想像もしていなかった。
「悠ありがとう」
「菜緒ごめんね」
悠と菜緒は強く抱き合った。
「俺たち・・・・邪魔ものか?」
不二がふと、皆の耳元で囁くように言った。
「そ、そうかも・・・」
皆は少し悲しげに言った。
不二と皆は、悠と菜緒を置いて2人向きを変えた。
「時間勿体無いし、俺らも行くか!」
不二が勢い良くいった。
「行こう!!」
皆も負けずと勢い付いていった。