君のホームランで、連れてって!!
想い届け
「菜緒、目瞑って」
悠が菜緒の目を手で隠した。
「えっ!」
菜緒は慌てて振り返ろうとした。
「ダーメ」
「え~! なんで!」
菜緒は振り返るのをやめて、悠の手を掴んだ。
「いいから。行くよ」
そういって、歩き始めた。
それから、菜緒は心配そうに歩き出した。
「悠~まだ?」
「まだだめ」
「悠~もういい?」
「ダメ」
「ねぇ、悠?」
「ん?」
「どこまで連れて行くの?」
「え」
そんな会話が20分ほど続いた。