君のホームランで、連れてって!!
「ゆ・・・悠。」
「菜緒・・・。」
あたしは、晴に抱きしめられていた。
「不二ッ、てめぇ!!」
悠がこっちに向かって走ってきた。
ブンッ
悠が振りかぶった拳が晴にー!!
「悠!!」
パシン・・・
え・・・?
「はっ、ははは!悠は全然変わっていないな。」
「不二・・・。」
悠の右手が晴に掴まれた。
悠が悔しそうな顔をしていた。
「悠は、野球しか出来ないからな。」
「・・・」
あたしは何も出来なかった。
「悠は、何も出来ないクズだッ・・・!!」
「いい加減に・・・!」
悠が声を切らしたところだった。
「晴!!」
あたしは、大声を出していた。
「菜緒・・・」
「やめてよ。そんなこと言うの。悠だって頑張っているんだからッ!!」
あたしは我慢の限界だった。
悠の悪口を言われるのが、悔しかった。
「・・・菜緒」
悠があたしの目線に腰を下ろした。
「悠・・・」
「菜緒。ありがとう・・・。」
「え・・・悠?」
悠はあたしに、深いキスをした。
「ゆっ・・・悠」
悠はあたしを放してくれなかった。