ソラを見上げれば・・

けれど。


俺は碧の病室の扉を開けてしまった。



意志とは関係なく動くからだ。



とめれない。





「・・・碧・・・」


呟いても返事は返ってこない。



ただ時が刻むだけ。






そっとベットの脇に移動する。




碧の顔が見えた。



死んだ人には白い布掛けるけど碧にはかけられてなくて・・・




安らかに・・・


眠っているような顔だった。




「・・・君が、空谷くんかな?」

後ろから声をかけられて振り返ったら、



優しく笑っている白衣を着たおじさんがいた。



「・・はい・・・」


なんだろう。



「これ、碧ちゃんから、受け取ってほしい。」



手渡されたのは封筒。


ひと目で碧からの手紙だと分かる。



< 320 / 342 >

この作品をシェア

pagetop