ソラを見上げれば・・



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「圭!おはよっ!!」

背中を叩かれてしかめっ面になる俺。



「・・・・痛い。」


「地味に文句言うなよ。」

フッと笑っている悠斗が地味に呟いた。



「お前こそ地味に言ってるじゃねぇか。」


おりゃ。と悠斗の背中をたたく。


「・・・・俺、なんもしてねーし。」


「そうよ!叩いたのはあたしだし♪

あたしに文句いいなよ。」


ニッと笑って俺をたたく鬼じゃなくてゆう。









あれから、もう1年がたった。


今は、春。


いや、1年と半年か。


碧と再会した季節がめぐってきた。



俺たちは大学生になった。




あれから、ゆうは碧を思ってずっと泣き続けていて、
俺みたく、手紙を読めてなかったらしい。


けど、悠斗に支えられて、手紙を読んで前を向けたらしい。



俺たちの関係は変わらないまま、


あ、呼び名が変わったな、


俺は倉沢って呼んでたのを“ゆう”に。
ゆうは空谷くんから“圭”に。







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