* 恋する猫 *
野良猫と月 ~エネルギー~
痛烈な雨が
僕の胸を射る

まだ終われない
君を探す旅

エネルギーは
君の写真

もう一度確かめて
足を動かす

‘もう止めちゃいなよ’

太った野良猫に言われても
止めるわけにはいかない

‘お前だってそうだろ?’

知ってるんだ
太った野良猫が
月のエネルギーを
溜めて

太った野良猫が
太陽のエネルギーを
借りて

太った野良猫が
そこで待ち続けていることを

気が付いたら
君の足跡の隣に
僕の足跡がついていた

このまま進めば
逢えるだろうか?

あの時言えなかった
言葉を言えるだろうか?

君は受け入れてくれるだろうか?

‘最初から答えなんて
わかってるくせに’

太った野良猫は少し寂しげに
僕の耳を擽る

優しい雨が
僕の頬を撫でる

スペードのエースは
隠したまま

太った野良猫と
君を探す旅は
まだ終わりそうにない

僕らが願うは
君が笑顔でいますように
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