* 恋する猫 *
人魚の恋敵
いくら想っても
貴方は私から遠すぎる
まるで月に恋したようで

微笑む顔に愛しさを覚えたの
語る魂に儚さを知ったの
貴方の優しい指で
撫でられてみたかったの

愛してるから
愛してるから
想いは泡にして
空に溶かしても良いでしょ?
一粒だってあげないわ
気付かせてもあげないわ
貴方への想いは私だけのもの

いくら想っても
貴方は遠すぎるのよ
月に恋した兎って
こんな気持ちなのかしら
叶わない恋なんて
綺麗なものですらないけど
私は貴方が好きでした

流れ星なんて
滅多に見れないのに
私の心の底に
隕石が溜まっていく
重くて苦しくて痛くて

貴方の何を私が
知ってると言うのでしょう
貴方の何に私は
恋に落ちたのでしょう
きっと理由なんてないのね
ただ傍に居たいのね
誰でも良い訳ないじゃない

海に潜って
深く深く深く
音楽が聞こえるまで
潜って潜って
深い傷に潮を染み込ませて
涙は浮上
鯨と泳ぐでしょう

気持ちは泡と消えないの
泡になるのは貴方
私の胸の奥底で
泡になるのは貴方

もう想わないわ
貴方に届けたくないから
月を眺めてたって
兎とイチャイチャしてるだけ
私は狼でも探して
宇宙を壊してやるんだから
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