* 恋する猫 *
終わりのない恋
悦びの音が響く
それはまさに一人劇
ヒーローもヒロインも
脇役さえ一人で演じてる
だから全て拙くて
喜劇は悲劇のように
儚く哀しく幕を降ろす

貴方の声が
私の心に満ちていく
笑い声が素敵で
透き通って
心にストンと落ちて
一人戸惑い泣きそうで

夏の日差しは強すぎて
火照った頬に
朦朧とした頭じゃあ
貴方しか想えない

激しく燃えて
儚く散って
かと思いきや
まだ幽かに灯ってる
そんな哀しみに満ちた
幸せな恋

待って 待って
私の声は虚しく響いて
沈黙に掻き消されて
道行く人の袖を
必死に掴んでみたものの
物語は勝手に進んで
勝手にクライマックス

置いて行かないで
私の叫びは涙声に似ていて
ざわめきに掻き消され
貴方の背中に手を伸ばしても
それは幻のように届かずに
物語は終わりを告げずに
幕を降ろしてしまった
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