姫様の秘密❤
休み明け、私はいつもどおり、学校に行こうとした。

「いってきます。」
と、誰もいないのに言ってしまうから不思議。
いつもなら、親父とか、母さんが「いってらっしゃい。」って、返してくれるのになあ
と思い、ハッとする。
やばい、もうホームシックかよ!と、自分でツッコむ恋歌だった。
外に出ると、なぜか榊がいた。

「「…ハ?」」
「ちょ、なんでお前が居んだよ!」
「こっちの台詞じゃボケ!」

互いに威嚇しあう二人。
「なんで俺の家に榊がいるんだよ!」
「ハ?”俺の家”って…。」
「なんだよ、文句あんのか?」

寝起きが悪い恋歌サン。
言葉づかいも悪くなっております。

「いや、文句っつーか…。ここ、俺の家。ってゆーか…」
「ハ?何言ってんの?」

そこで、隣の部屋の戸が開いた。
そこに目をやると、この前あった、美人のおねーさんが…。

「伸也、何やってんの?すっごいうるさいんだけど。」
「あ、すまん。姉キ。」
       ・・
「…え。”姉キ”って…。その人、榊のおねーさん?」
「あ、はじめまして…よね?伸也のお友達?伸也の姉、榊ハルカです。」
「は、はい。こちらこそ、初めまして。黒沢レンです。」
「黒沢…さん?この前引っ越してきた人…かしら。」
「はい。そうですけど…。」

お姉さん推理力ハンパねえーー!
名字だけでわかったと!?

「あれ?でも、この前挨拶に来たのは女の子だったような…。」

やっぱそこ来たかーー!
フッ。そんなこともあろうかと、もう設定は考えてあるぜ!

「あ、それは俺の姉です。黒沢恋歌って言います。」

どうだ!最強の設定だろう!

「あら、そうだったの。たしかに、顔はそっくりね。」

だって本人ですから。
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