この話にはまだ、題名がない。

「神崎くん」

私の名前を呼んで顔を上げた。

「竹内くん!!」

私は今か今かと待ったような笑みを浮かべた。

「神崎くんも遅刻かい?」

私は尋ねられて一瞬焦ったが・・・

「え、えぇ。そうよ」

と冷静に答えた。

すると、信号の色が変化しそうなことに気がついた。

私は、車が突っ込んでくるのを知っていたから、何て言えば信じてもらえるだろう。

信号の色をじっくり見た私は、ドクンと鼓動が揺れた。


< 39 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop