この話にはまだ、題名がない。

「それにしても、珍しいよね」

廊下を歩いている途中、水沢くんがふと口にした。

「石川先生はほとんど理科室にいたからね・・・」

私も考え込んでしまった。

竹内くんも足を止めてしまった。

それでも、ずんずん進んでいく水沢くん。

「あの、水沢くん?」

私が声をかけてようやく止まった。


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