FUTARI

宿帳を記入して部屋に案内され

早速、温泉につかり部屋で

美味しい料理を堪能した後、

仲居さんが2組の布団を50

センチくらい離して

並べて敷いてくれた。



いろんな話を1時間くらい

話したころに波美が話しはじめた


『タカ。あたしをみて。。。』


そういうと貴司に背中をむけ

浴衣の帯をほどいた


『なにも言わずに聞いてね』


こういうことだった。

貴司と離れて半年くらい後に

波美は事故に巻き込まれた。

そのときのキズ、これでも

小さくキレイになったのだが

右肩あたり手を開いたくらいの

大きさのアザが残ってしまった。

それからは人と接することを避け

外へ出ることがなくなってきた。

その頃からだ、

メールが途絶えたのも。



「なんで教えてくれなかっ」


その言葉を言い終わる前に



『見られたくなかったんだもん!

こんな姿。。。。』




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