FUTARI
「食べてくれたんです?
あっ、その。。。
おめでとうございます」
由貴は舞い上がってる様子で
「あっ、その、えっと、、、
失礼します」というと
プールから上がって消えてしまった。
泳ぎ終えて
水島家へ向かうのはほぼ毎日のことで
この近所の人とも
顔なじみで認知されている
いつもの調子で
「ただいまぁ~
おばさん!カレーの香りだねぇ」
『おかえりぃ~、
今日も頑張ってきたかい?って、
誰がおばさんだってぇ~!』
「あっ、悪りぃ。。。」
『どう!? 美味しい?』
「うん!美味しいぃ!
おばさんのカレーだよぉ!!」
『言ってる意味はわかるんだけど、
おばさん・おばさん言うな!
そうか、よかったぁ
ところで明後日から試験だよ、
タカのお父さんから
メール届いてんだけどぉ
勉強を見てやってくれって 』
「おいおい、
親父とメル友なのかよぉ
勘弁してくれよぉ」
『それからさぁ、
ケーキなんだけどゴメン。。。
全部食べて
片付けてたら中からでてきた。。。。
てっきり。。。
どこかお店のだと思って全部。。。』
手渡されたのは貴司へのメッセージだった