君といた季節
「は・・・?」
「いや、なんとなくなんだけど。
あたしが見てる限りでは、いつも大志は
優しい目で美桜を見てるから・・・」
言葉とは裏腹にどこか寂しそうにしゃべる神楽に
大志は思わず小さな笑いがこみ上げる。
「違うよ。すきだとかそーいうんじゃない。
美桜のことは幼なじみとしか思ってないよ。
たまにバカな妹に見えてくるときもあるけど(笑)」
まだ納得のいってない感じの神楽に大志は“ふぅっ”と深呼吸してからまた、ゆっくり話し始めた。
「幼稚園くらいのときはすきだったけど、今はそんな感情ないし。っていうよりも
今は恋愛をする気はないし」
最後に言った言葉はあえて小さな声で言った。
あまりにもか細い声に神楽は何も言えなくなった。
「そっか!あたしの勘違いか!!」
だからわざと明るく振舞った。
なんでだか分からないけど、
「よし!じゃぁ、翔太たちのとこに戻ろっか」
神楽はあふれ出そうな涙を必死で堪えていた―――・・・