2匹の蝶々
「あっつ…」
心は熱があった。
それも、かなり高熱。
「音…あたし…」
そう言った途中で、心は目を閉じた。
「心っ…」
前に倒れそうになる心を支える。
俺が支えなかったら、ベッドから転げ落ちていただろう。
俺はゆっくりと心をベッドに寝かす。
「心…」
布団をかけて、心の頭を撫でる。
どうしよう…
病院に行くにしても、保険証がないと診察はしてくれない。
保険証は家だ。
今さら帰れるわけない。
薬を買おうにも処方さえもされてない。
市販のを買うにしても、ここに心を1人置いていくのは心配だ。
苦しそうに呼吸をする心。
こんな時、俺は何も出来ないのか…
俺は肩を落とす。
情けない…―
その時、俺は1つ決意をした。
ごめんな…心。