2匹の蝶々
…音。
2年もたつのに、音は少しも変わらなくてすぐに分かった。
「心…なんで?」
それはあたしも聞きたい。
でも、それより。
「い、音っ!!」
あたしは勢いよく、音を抱きしめた。
「…心っ」
音はあたしの背中に手を回す。
2人は突然の再会に涙を流した。
少しして、落ち着いたあたし達はカラダを離す。
「なんで、心が東京に…??」
「東京に行きたい大学があったから…音は?」
「俺は…あの日からずっとここにいるよ。」
…あの日。
音が突然あたしの前から姿を消したあの日。
「そっか…」
「大学ってどこの?」
「ん、J大学だよ。」
「…まじ??」
音は目を丸くする。
「うん。」
「俺も…俺もJ大学に行くんだ。」
「え、本当!?」
「おう」
あたしはフフッと笑う。
「…心?」
「なんか、運命…みたいだね。」