2匹の蝶々
だから…
「あれ、後ろが上手く結べない…」
「俺がやろうか?」
サラッ…
何気なく、触れるんだ。
「本当?」
何も知らず、無邪気に笑う心。
「うん」
俺も笑って、心からゴムを受け取った。
「双子って言ってもさ、あたしが先に産まれたのに。なんか、音がお兄ちゃんみたいだね!」
…ズキン
「そうだね」
ダメだ。
こんな事で辛くなるなよ、俺。
「よし、出来た」
「うわあ、おだんごだ!!ありがとっ」
心は俺の気持ちなんか知らずに、嬉しそうにしている。